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谷間のキャラバン都市
サフランボルは街道沿いの宿場町として繁栄した黒海沿岸地域の都市。
都市部の人口38,334人(2007年)。
現在のサフランボルは、谷間の旧市街Çarşı、高台にある新市街Kıranköy、かつて夏の居住地であったバーラル地区Bağlarの3地区から構成されている。旧市街全体が世界遺産に指定されているため、毎年多くの観光客が訪れる。トルコ国内から伝統的な街並みを体験しにやってくる観光客がほとんどであるが、外国人旅行者の姿も見られ、海外からは日本からの訪問数が一番多いとのこと。山々に囲まれ、谷間に位置する旧市街は、2つの川と2つの丘によって起伏に富んだ地形となっている。斜面に伝統的な木造住宅が谷間を見下ろすように窓からの眺望を確保し、建ち並んでいる。伝統的な生活を展示する博物館として公開している住宅もある。坂道から坂道へ、博物館巡りをしながら、谷間の眺めを楽しみ、のんびり歩きたい街である。
バザールは谷底に位置し、かつて隊商が宿泊した隊商宿(ジンジ・ハン Cinci Hanı 、17世紀建造)やイェメニYemeniと呼ばれる革の短靴をつくる工房の集まった商業施設イェメニジレル・アラスタYemeniciler Arastası、モスク、ハマムなどが保存されている。ジンジ・ハンは修復され、かつて隊商が滞在した部屋に現代のシャワー設備を加えて、ホテルとしてオープンしている。イェメニジレル・アラスタは手工芸品を売る土産物屋街へと変化し、ブドウ棚の木陰が心地よい中庭はカフェとなっている。通りには木造の商店や工房が建ち並び、修復の範囲も徐々に広げられている。
毎週土曜日に隊商宿の裏の広場で食料品や衣料品の市が開かれる。この土曜市は350年以上の歴史があり、冬場は、食料品40、衣料品40、近郊の村からの生産物を販売する露店30の計110軒、夏場は120~130軒(露店数は2008年調査時)の露店が並ぶ。また、南西部のイゼット・パシャ・モスク İzzet Paşa Cami 南側の川沿いの広場では動物市が同じく土曜日に開催される。近隣の村々から牛や羊がトラックで連れて来られ、取引される。露天商の数は22~25である。また、春には動物市と隣接して、苗木も販売されている。
ジンジ・ハン裏に立つ土曜市 Cumartesi pazarı