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木造民家が保存されている町
アンカラから西へ約100kmの所に位置する。人口34,496人(2007年)。
アンカラとイスタンブルを結ぶかつての街道沿いの町である。バザールの南西にはかつての隊商宿、スルハンSuluhan(1683年建造)がある。街道の拠点として多くの商人が行き交った様子がうかがえる大規模な石造2階建の施設であり、2008年の調査時は修復工事中であった。
隣接するバザールは複数の街路によって格子状の平面形態をとり、木造2階建ての店舗群が連なる。建物だけでなくバザール全体を歴史を継承する空間として整備しようと、路面の舗装工事が2008年になされている。服や布団の仕立て、靴、馬具、金物、銀細工などの工房も多くみられ、建築物という場の保存だけでなく、中身である伝統工芸の継承もなされている。緻密な細工が施される銀細工Telkariの伝統芸術で有名な町でもある。また、モスクや床屋、チャイハネ(喫茶店)もバザール内に点在し、人々のコミュニケーションの場として利用されている。
毎週水曜にはバザールの南東部の通り及び隣接する広場で食料品の市が、幹線道路を挟み、塔を有する建物の裏側で衣料品の市が開催される。店舗数は衣料品68軒、食料品110軒(2008年調査時)。アンタリア方面の村々からも食料品を売りに来るようである。
また、バザールのやや西に位置する広場Alaaddin Sokakでは、週末に観光客向けの市が開かれる、土産物などが売られる。そこから続くバザール内の通りにも露店や常設店舗が並び、併せて賑わいをみせる。
この広場周辺は修復、保存された木造民家が多く、白壁の連なる景観が印象的である。民家の多くは1階部分が石造で、木造の2,3階部分がメインの居住空間となっている。居室の窓が外へ張り出し、部屋からの眺望が楽しめるように工夫されている。ベイパザルではこの広場以外にも多くの木造民家を修復しており、全体で3000以上もの木造民家がある。
銀細工の他に、野菜、特に人参の生産地としても知られている。人参を使った菓子ロクムHavuç Lokumuやベイパザル・ギュヴェチBeypazarı Güveçと呼ばれる土鍋ごと石釜で焼く郷土料理など、食文化も豊かである。アンカラから車で2,3時間と近いために週末の日帰り観光地として賑わいをみせている。また、毎年6月第1週の週末には "Uluslararası Tarihi Evler, El Sanatları, Havuç ve Güveç Festivali"と呼ばれる国際フェスティバルが開催され、フェスティバルを通して、日本との文化交流もなされている。
ベイパザルの水曜市、野菜エリア Çarşamba pazarı ,Beypazarı
ベイパザルの水曜市、衣料品・雑貨エリア Çarşamba pazarı ,Beypazarı